9.中学受験はどうなるのか?

9.中学受験はどうなるのか? 中学受験

加熱するばかりの中学受験に変化の兆し

ここ数年、中学受験の競争は激しさを増しています。
子供の人口は減っていますが、受験する割合が増えたことで、人気私立中学の受験人口が増えてきました。

そのため、中学受験指導の塾への人気の過熱も進んでいます。サピックスに入室するための家庭教師を雇う親もいるようです。
ここ数年の受験環境は、非常に厳しいものだったと言えるでしょう。

ところが、この傾向に変化が見えています。
2024年の受験者数は10年ぶりに減少したのです。

「首都圏の中学受験者数10年ぶり減少 受験率は過去最高」
出所:毎日新聞(https://mainichi.jp/articles/20240209/k00/00m/040/233000c

総務省の統計によると、2020年時点の14歳未満の人口は約1,457万人、2030年には、1,204万人になると推計されています。
受験率が上がっていくとしても、それ以上に子供の人口が減っていくことで、受験者の絶対数は減っていくということになりそうです。

出所:内閣府(https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2012/zenbun/s1_1_1_02.html

中学受験はコスパがいいのか?

なぜ中学受験率が上がってきたのかといえば、公立中学に行くよりも、私立中学に行くほうが、将来子供のためになるから、という理由でしょう。
そして、それは小学校の時間を犠牲にしても、親のお金をつぎ込んだとしても、それ以上にリターンがあるということが前提条件としてあります。

たいして大きなリターンがないのであれば、あるいはつぎ込む時間やお金が法外なものであれば、受験させたいと思う親は減るはずです。

つまり、現在の中学受験は、非常にコスパがいい投資であると思われているわけです。

経済が上り調子の時は、教育に先行投資をすることで得られるものが大きいのでしょうが、経済が停滞してしまうと、同じ結果になるとは限りません。
もしかすると、中学受験をしていい大学に入っても、かけた費用に見合うような職業に就くことができないかもしれず、これから先、中学受験のコスパは悪くなってしまうかもしれません。

参考記事「2.エンジンがかからなかった子と親、でもそれが良かったのかも」

それでも中学受験はする意味がある

それでも中学受験をする意味はある、と断言します。
これから思春期に突入する子供たちにとって、努力をすればできる、挑戦して高みを目指せる、という経験を積むことが、その後の人生を積極的に歩めるかどうかに、大きく影響するように思います。

結果が不合格だとしても、3年間塾に通い続けたという努力は、自信になります。
これに代わる自信を得ようとしても、お金で買えるものではありません。

コスパでは測れない価値が中学受験にはあるのです。
いい結果がついてくればなお良し。いい結果にならなくても、頑張ったから良し。
「火のつかなかったエンジン」を積んで挑んだ真夏の受験は、大きな意味がありました。

参考記事:「8. 中学受験で見えた子供の成長」

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