7. いつエンジンがかかるの?

7. いつエンジンがかかるの? 中学受験

小学6年生の4月、10月、12月にはエンジンがかかる?

真夏が通っていた塾の先生は、小学6年生の4月から徐々に目の色が変わり、真剣になる子が増えると言っていました。
10月にはさらに増え、12月を超えると大半の子が真剣な表情に変わります。

また、女の子は早くから中学受験という家族の挑戦を理解し、真剣に向き合うようです。男の子は真剣になるのが遅れてやってくるようです。

この時期はあくまで平均的な目安で、子供によって違います。ただ、周りが真剣にやり始めると、自分も影響されて真剣になる面はあるでしょう。

良くも悪くも我が道を行く真夏

うちの子供はあまり他人のやっていることに影響されない性格です。
これは長所だと思っていましたが、マイペースなので、こういった時には短所になります。

塾にはほとんど休まず通っていましたが、日曜も塾通いが始まると嫌々通うことが増えました。
「エンジンがかかる=自分から目の色を変えて自主的に勉強する」という姿を想像していましたが、それは一度もありませんでした。

毎日のように「これをやっておこう」「ここまでがんばろう」と伝え、なだめながら勉強させる状態でした。
自主的に勉強する姿には程遠いものでした。

この状態が1月まで続きました。私たち親は、半ばあきらめました。
「真夏は本気になっていない。私たち両親も、鬼になってやらせたいとも思っていない。」
「これが真夏の人生だから、結果がついてこなくてもあきらめよう。」
「ここまで頑張ったことが十分財産。」
と、自分たちが納得するための理由付けをしていました。

受験に「たられば」はありませんが、1月に子供と一緒に奮起して、無理やりにでも勉強させていたらどうなっていたのか?今でも時々考えることです。

もっとハードにやっていたら、もっと悪くなっていた

もっと自信をもって受験に臨み、スムーズに合格を勝ち取っていたかもしれません。
しかし、その代償として親への信頼をすり減らしていたかもしれません。あるいは、勉強が嫌になり、気力を失っていたかもしれません。

可能性が最も高いのは、受験への熱意を失い、悪い結果になり、親への信頼を失っていたということです。

真夏の中学受験は建前上は自分が希望したものですが、本当は親が望んでいるからその期待にこたえたいという結果、それが自分の考えであるかのように勘違いしていたのだと思います。

そんな中で、「なぜ頑張らないんだ、1カ月だけなんだから死ぬ気で頑張れ!」と言われたらどう思うでしょうか?
「そこまでやらなきゃいけないのなら、中学受験なんかしなくてもいい」と考え、日々の勉強に力が入らなくなるはずです。

これは真夏の例です。子供の状況や親との関係性によってかなり変わります。熱意に影響を及ぼすことはできるかもしれませんが、言葉一つや親の方針で魔法のように一変させることはできません。

子供の能力や姿勢そのものを変えようとするより、今持っている能力や姿勢の範囲で、ベストなやり方を考えるべきです。

参考記事:「4.褒める?叱る?」

消極的=負けではない

そこで私たちは受験当日に向けて、「がんばれ、合格目指してラストスパートだ!」という最後の詰めモードに入るのではなく、まったく真逆の「よく頑張った。
結果はどうなっても満足するから、心配しないでいいよ」という、消極姿勢モードで臨むことにしました。

本人が嫌になってしまわないこと。仮に失敗したとしても、親の期待にこたえられなかったという気持ちにならないことを目指しました。

中学受験の努力が失敗に終わったという、自信を失わせるような思い出にしたくなかったのです。

消極姿勢になるということは、私たちにとって負けではありません。
期待値を下げて、どんな結果でも勝ちにするための苦肉の策でした。

案の定、火はつかず

こうした消極姿勢が功を奏したのか、真夏の受験エンジンは点火しませんでした。
受験前日も、眠いと言って早くベッドに入りました。

妻は「あの人、よくわからない」と漏らしていました。

受験を控えている小学6年生の親御さんは、「うちの子はなかなか本気にならない」と悩んでいることでしょう。
受験前日や当日も、まったく火がつかない子もいます。淡々とでも、毎日の塾通いを頑張っていれば、いい結果を生むこともありますので、過度に心配しないでください。

心配しすぎて強く叱責し、やる気をそいだり、自信を失わせたりすることの方が深刻です。
親の期待値を下げて平静を保つ方が、良い結果につながるかもしれません。

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