中学受験のわき役、親ができること
中学受験において、親ができることは3つしかありません。
そして、絶対にやってはいけないことが3つあります。
これを誤ると、子供のやる気をそいでしまいますし、中学受験よりも大切な親子の信頼関係を失ってしまいかねません。
まず、親ができることから見てみましょう。
- 大量のペーパーの整理
- 逃げ場を作る
- 受験日程の組み立て
大量のペーパーの整理
1つ目のペーパー整理。中学受験の様子をまだ経験していない人からすれば、「そんなに書くほどのこと?」と思われるかもしれませんが、毎日毎日大量のペーパーが持ち帰られます。
肝心な時に必要なペーパーを取り出せる状態になっていなければなりません。
その状態を作るための文書管理は大変です。図書館の司書のような仕事ぶりでないと、この仕事は務まりません。
もちろん、受験生本人が勉強しながらこの整理をするのは難しいです。
ペーパーの整理だけで受験の時間が終わってしまいます。これこそ親がやるべきことのナンバーワンです。
逃げ場を作る
2つ目、逃げ場を作るというのは繊細な判断が求められます。
子供は小学校で授業で大半の時間を過ごした後、夜遅くまで塾で過ごし、友達との競争にさらされます。
この後さらに親から勉強しろ、遊んでる時間はない、と追い立てられると間違いなくパンクしてしまいます。
親だって常に仕事をしているわけではありません。適度に逃げ場を作っているでしょう。
子供にも逃げ場を作ってあげる必要があります。
ただ、怠けるための逃げ場なのか、次の頑張りにつなげるための逃げ場なのか、見極めが要ります。
親に言えば塾が休める、というような甘えが生まれてしまってはいけません。
一緒に頑張るという一貫した姿勢を保ちつつ、気持ちが休まるタイミングが必要だなという場面で、判断をしてあげる必要があります。
受験日程の組み立て
3つ目の受験日程の組み立ては、6年生の後半に訪れる難しい判断です。
子供が行きたいという学校と、仮に第一志望に敗れても、ここなら通わせる価値があると思える学校、そして各校の受験スケジュール、4日間の作戦を総合的に決める判断は、小学生には酷です。
塾の先生は丁寧に相談に乗ってくれますが、最終的に決定するのは受験をする子と親です。子供の性格や、様々なシナリオを考慮して子供と合意しながら決めていく仕事は、親の責任においてやるべきことです。
親が絶対にやってはいけないこと
一方、絶対にやってはいけないことがあります。
- 親が定期的に指導すること
- 他の子供がやっていることを伝えること
- 塾以外の教材を買ってくること
親が定期的に指導すること
1つ目は、私自身がやってしまって、失敗をした経験があります。
中学受験の最重要科目である算数の苦手分野を克服させようと、分からないことをテーマごとに毎週末指導していました。
子供ははじめのうち、塾ではこういうやり方をしていると言っていましたが、私が「でもこのやり方の方が良いんじゃない?」と教えると、一見納得したように進めていました。
実は、塾にいる時は塾で教わったやり方で、私の前では私に教わったやり方で問題を解いていたのです。
塾の先生は中学受験指導のプロです。私たちが教えることは、ただ混乱にしかなりません。
塾で教わったことをなぞりながら、理解の助けになることを教えるのならば問題ありませんが、塾講師気取りで定期的に教えるのは、子供にプラスにならないことを肝に銘じておくべきです。
他の子供がやっていることを伝えること
2つ目の、他の子供のことを伝えることは、親としては奮起させるためにやってしまいがちですが、子供にとっては自信を失うだけの悪手です。
「1日3時間勉強してるらしいよ」、「前回のテストで一番上のクラスに入ったらしいよ」という言葉は、決してプラスの感情を生みません。
塾以外の教材を買ってくること
3つ目の、塾以外の教材を買ってくることも、いい結果を生みません。
教材を買ってくることは、ただの親の気休めでしかありません。塾で十分すぎる教材を提供してくれています。
これ以上何をするというのでしょうか?
もし余裕があるのならば、塾でやることが定着するように、繰り返しやることが優先です。
他の教材に手を出して、すべてが手薄になることは、勉強に費やした時間に対して、効果を削ってしまう結果になります。
あちこちに手を出さないと不安になってしまう気持ちを、ぐっと抑えましょう。
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