4.褒める?叱る?

褒める?叱る? 中学受験

いつから塾に通うべきか?

関東圏の中学受験の競争は熾烈です。
その象徴として語られるのがサピックスです。

サピックスは中学受験の指導を行う、小学生向けの進学塾です。
毎月テスト結果によってクラス分けを行い、目に見える競争を通じてレベルを上げていく熾烈な塾です。

通常、中学受験の対策として塾に通い始めるのは、小学校4年生からというのが相場です。
しかし、サピックスの入室テストはそれなりの学力が求められるため、早めに通い始めて確実に通えるように、小学1年生から通わせる親もいます。

子供が塾の勉強に興味があれば問題ありませんが、大半の小学生は他に興味を持っていることが多いでしょう。
ゲームやスポーツ、音楽などです。これらを楽しむ時間を犠牲にして、あまりに早く塾に通わせるのは、良い面以上に悪い面が出てしまうことが多いと思います。

1年生から3年生の間は、友達と遊んだり、好きなことを見つけるための習い事に費やすべきです。
4年生から徐々にエンジンに火を入れて、6年生で中学受験は自分の夢だから自分から頑張る、という気持ちに持っていくのが得策だと思います。

長く通えば良いというものでもない

結果的にうちの子供は中学受験のエンジンに火がともったことはありませんでしたが、それでも最後の最後にちょっと熱を持つくらいにはなっていました。塾に通う時間を長くしていたら、6年生になるころにはエンジンが冷え切って、いやいやの受験になっていた可能性が高いと思います。

うちの子供は小学4年生で受けたサピックスの入室試験に失敗しました。
それでも本人が入学したいと願っていた学校に合格することができました。
サピックスに落ちたらそれは仕方のないことです。
他の塾に入っても入学できないわけではないので、過度に心配をしてはいけません。

親の気持ちを落ち着かせるために、子供の楽しい時間を削るのは賢明ではありません。
ただ、私自身が子供の頃は塾通いが好きで楽しかったので、小学1年~3年の塾通いが必ずしもダメとは思いません。
あくまで多くの子供に適しているのは4年生からではないかという考えです。

「親の気持ち=子供の気持ち」という勘違いこそ大敵

塾通いが始まると、子供の成績に一喜一憂するのは子供ではなく親です。
親の方が不安に振り回されます。
子供はたいして気にしていないのに、親がイライラすることが起こります。

「こんな成績で本当にあの有名校に合格できるのか?」
「勉強が足りないんじゃないか?」
「あの子はいつもトップのクラスにいる。何を勉強しているのか?」

親が子供以上に心配してしまいます。
この心配を解消するために、無理に勉強を強いると、あまり良い結果を生みません。
親がやるべきことは、あくまで子供が自主的に勉強する気持ちを徐々に作り上げていくことです。

塾に通い始めの段階では、「中学受験まで頑張ろう!」という気持ちは、あくまで親の気持ちであり、子供の気持ちはまだついてきていません。
頑張ろうと思う気持ちは当たり前と思って、「なんでやらないのか?」という姿勢で叱ってしまうと、勉強が嫌いになってしまうだけです。

褒めるだけでいいのか?

一方、褒めるだけでもいけません。
悪い成績をとってきても、「頑張ったね」と言っていれば伸びるのか?それほど甘くないはずです。
ここぞというタイミングで叱ることも必要です。

どういうときに叱るのかについては、親が明確に方針を持っておかなくてはなりません。
これはお子様の性格によって調整が必要ですが、怒られたことに納得してもらいやすい方針は、結果そのものではなく、プロセスについて叱ることです。

例えば、「何でここを間違えたのか?」、「なんで成績が落ちたのか?」と叱っても、子供はどう解決すればいいのかわかりません。

叱るべきこととしては、「今日は7時から7時30分まで勉強すると決めていたのに、どうしてやらなかったのか?」ということです。
次のテストで算数で10点アップしよう、算数を毎日30分勉強すればそれができるはず、習い事が終わった後、7時から7時半はその時間にしよう、といった約束をして、本人にも納得してもらう必要があります。

それでもやらないのが小学生です。毎日叱っていてはいけません。
せいぜい月に1回くらいでしょうか。とにかく6年生よりも前の段階では、親も我慢が一番大事です。
すぐに結果が出ると期待しないことが重要です。

参考記事:「6.志望校選びは子供の顔色をうかがいながら」

主役は子供

中学受験も、子供の人生の一部。あくまで子供が主役であることを忘れて、脇役である親が舞台に上がって手取り足取り指導してはいけません。

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