真冬の勝負に挑んだ真夏
少子化がニュースで頻繁に取り扱われる昨今において、中学受験の競争が年々激しくなっているというのは意外に思えます。
それでもこれは現実で、特に関東圏での受験は激しさを増しているようです。
2024年の2月、そんな厳しい勝負に挑んだのは、小学6年生の男の子、真夏です。
真夏という名前は女の子と間違えられることが多いのですが、男の子。私の息子です。
そして私は真夏の父親です。
闘いきれなかった子供と親の反省録
このサイトは、真夏と両親の闘いの記録、と言いたいところですが、実は闘いと言えるほど熱心になれなかった子供と親の反省の記録です。
中学受験の成功の記録を見ると、子供も親も様々なものを犠牲にして勝負を勝ち取ったストーリーがあふれています。
でも、受験生の親の中には、「うちの子はどうして受験記の子供のように真剣にやらないのだろう?」と心配されている人も多いでしょう。
そして同時に、「私も受験記の親のようにはとてもなれない」と、自分に失望している人も多いと思います。
私たち一家も同じ状況でした。
子供には「『もっとやれたのに』という後悔だけはしないようにね」と言っていたにもかかわらず、私自身は「もしかしたら、もっとやれたのかな?」という気持ちが消えませんでした。
立ち尽くす「全滅」の親たち
中学受験の結果は、合格か不合格しかありません。
不合格は不合格。
頑張った不合格も、頑張っていない不合格も、結果としては同じに見えます。
子供も親も、かなり堪えます。
2月1日を皮切りに、2月4日までが勝負となる日程ですが、4日の時点で1つも合格が出ていない場合、子供は疲弊し、親は余裕がなくなります。
このことを象徴する光景を見たことがあります。
受験日程のピークの最終日である2月4日の試験時間中、中学校の近くで、サピックスの中学受験ガイドを手にしている父親と母親がいました。
おそらくその時点で合格した学校が1つもなく、どこの中学ならまだ受験できるかを調べていたのではないかと思います。
二人とも余裕がなく、しばらく黙り、口を開けば口論になるという状況でした。
私も同じ状況だったら、妻と口論をしていたかもしれません。
しかし、第一志望合格の子供もいれば、当然「全滅」の子供もいるわけです。
自分の子が「全滅」になることも十分あり得ます。
我が子が最悪の結果にならないよう最善を尽くすのは当然のことですが、家族の関係を犠牲にしてまで、中学受験に成功するのが本当の姿とは思えません。
中学受験は人生に影響を及ぼしますが、それだけで人生が決まるわけではありません。
受験のゴールを「合格」ではなく、本当に大切なものに設定することの大切さを感じました。
中学受験で何を得るか?
そういう私も、満足いかない結果に失望したときもありました。
しかし、その時でも受験で費やした時間に後悔はなかったですし、子供の成長と、受験で生まれた親子の信頼関係は、挑戦する価値があったと心から思えるものでした。
中学受験で犠牲にしたお金や時間が無駄だったのか、意味があったのかは、子供の頑張りではなく、親のとらえ方一つだと思います。
悩みの尽きない中学受験に少しでも前向きな気持ちで挑戦してもらえるようなヒントになればと思い、筆を執りたいと思います。
参考記事:「8. 中学受験で見えた子供の成長」
私たち家族
これを読んでくださる皆さんが、より具体的なイメージを持ちやすいよう、私たち一家のプロフィールについて少しだけ説明したいと思います。
私は、都内で働くサラリーマンです。
私自身も中学受験をし、地方の中高一貫の進学校を卒業して東京の大学に通いました。
私の妻は、現在は専業主婦をしています。
彼女も中学から私立に通い、東京の大学に進学しました。
妻はいわゆる偏差値の高い大学に入るコースを歩んだわけではなく、人格形成のための教育を求めて私立受験をしています。
ですので、二人とも中学受験をさせたいという想いはありましたが、私は進学実績のいい学校であれば入学し、そうでなければ公立に入ればいいと思っていました。
一方で妻は、偏差値にとらわれることなく、教育方針が子供に合う学校を選びたいという考え方でした。
息子の真夏は非常におっとりとした男の子で、何かに必死になるという姿を今まであまり見せたことのない子です。
友達関係はとても良好で、正義感もあり、いわゆる「いい子」だと思います。
古い考えだと思いますが、私は男の子なら、わがままでもいいので、何かを成し遂げる強さが欲しいなと思っていたので、ちょっと物足りなさを感じていました。
でも、妻から見れば、思いやりのある自慢の我が子、という感じだと思います。
ただ、中学受験記に出てくるような、目標に向けて情熱を燃やす姿とはかけ離れている子供です。
サピックスの入塾試験に落ちてしまい、サピックスではない別の塾でのんびりと受験をしていました。
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